JASRACが音楽教室から使用料を取るのはCDが売れなくなってきているから?

JASRACが暴走中?


みなさんここ数日でこんなニュースは見たことがないでしょうか?

ざっくり説明すると、
JASRAC「音楽のレッスンも公衆の前での演奏だからお金払えってね^^

と斜め上のことを言い出した訳です。

JASRACというと数百年前の雅楽の演奏に対して著作権料払えと言ってきたり突然著作権料を請求してきて内訳を聞くと分からないと答えたりととにかく著作権使用料を請求してくることで有名。

そんななりふり構わないスタイルに定評のあるJASRACとはなんなのかと、音楽教室への著作権料徴収について思うことを書いていきます。

JASRACとは

一般社団法人日本音楽著作権教会の英語表記の略。

JASRACは、膨大な数の管理楽曲をデータベース化し、演奏、放送、録音、ネット配信などさまざまな形で利用される音楽について、利用者の方が簡単な手続きと適正な料金で著作権の手続きができる窓口となっています。そして、お支払いいただいた使用料は、作詞者・作曲者・音楽出版者など権利を委託された方に定期的に分配しています。東京にある本部のほか、全国の主要都市に支部を置いて、主にコンサートやカラオケなどの演奏について世界にも類をみないきめの細かな管理を行っています。
JASRACの紹介 JASRACより抜粋

JASRACの仕事は何?

例えばとあるミュージシャンが発表した楽曲に対してテレビで放送したりお店のBGMとして流したりカラオケで誰かが歌ったりする場合にミュージシャン一人ではどこでどのくらい楽曲が使用されているのか把握できないですよね?
それを一括で管理してくれるのがJASRACの仕事なのです。

ここだけみるととてもミュージシャンに優しい団体なのですが、そのやり方がなりふり構わなすぎて問題となっているのです。

著作権の保護期間

音楽に対する著作権の保護期間は、著作者の死後50年と決まっております。
そうなると先ほど書いた雅楽に対する著作権料の請求がどれだけおかしなことかわかるでしょう。

今回の音楽教室に関する問題とこれから起こりうる事

今回ニュースとなっているのは音楽教室を運営する企業に対して、レッスンで演奏する楽曲に対しての使用料を払えという事。

音楽レッスンとなると演奏したい曲があり、その曲を演奏できるようになる事を目的とする訳ですが、先生と生徒以外に聞かせるわけでもないのに手当たり次第使用料を払えと言われても・・・と言うのが今回の問題です。

対象となっている大きな企業様方もどのくらい楽曲を使っているかの把握も難しい上に、なんでレッスンで使用料払うんだよwwwwバカかよwwwwと言うのが本音でしょう。

ポップスの演奏ができなくなる?

流行りの曲が演奏できなくなる可能性が出てきます。
音楽を習うにあたり、流行りの曲を演奏したいとか、結婚式でこの曲を歌いたいとか、明確に演奏したい楽曲がある人も多いと思うのです。
それができなくなる事はレッスンができない=生徒も増えないとなり音楽教室にとっては死活問題。

クラシック曲しか練習できない?

著作権の保護期間は作者の死後50年と決まっており著作権のかからない楽曲=クラシック?となってしまうわけです。
そうなるとピアノを習う子供達は堅苦しいクラシックのみを練習するまるで戦後間もない頃のピアノレッスンになってしまうのです。
クラシックはとても難易度の高いものが多く、習い事を掛け持ちし「あくまでも習い事の1つ」としてレッスンしている現代のお子様達はピアノに興味を持ちづらくなる→日本の音楽文化の衰退に繋がってしまうのではないかと一抹の不安を覚えます。

レッスン料金が上がる?

ここが1番リアルな問題点ではないでしょうか?
今回搾取を検討している金額は年間レッスン料金のおよそ2.5%。
JASRACは個人でレッスンをしているところへの請求はしないと言っておりますが、個人先生の年間レッスン料金から2.5%とるよりは大企業の年間レッスン料金から2.5%搾取した方がいっぱいお金が取れますから汚いですよね。

しかしその心配はなさそう

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170203-00000049-asahi-musi
というのも、今回搾取の対処となった企業様達が「音楽教育を守る会」を発足しました。
JASRACと真っ向から戦うようなのでこれらの心配がなくなる事をのぞみます。

JASRACの暴挙はCDが売れなくなったからなのか?

JASRACに申請された楽曲がCDとなり1枚売れると、その定価の6%を著作権料としてJASRACに支払いその更に6%がJASRACの懐に納められます。

例えば1,000円のCDが1枚売れると

  • 1,000円×0.06=60円が著作権使用料
  • その60円×0.06=3.6円がJASRACの取り分となります。

CDが最も売れた90年代は5879億円

CDが最も売れたのは1998年の5,879億円でカセットなども含めると6,000億円を超えるそうです。
かなーりざっくりですが、先ほどの計算式に当てはめると

  • 5879億円×0.06=352.7億円が使用料
  • 352.7億円×0.06=21.1億円がJASRACの懐に

CD不況の現代では・・・

ネット上でのダウンロードやYouTubeでの公開など、音楽のあり方が多様性を増してきた現代ではCDが全く売れない「CD不況」とも呼ばれており、2013年のCD売り上げは役2940億円と全盛期のほぼ半分に。
つまりJASRACの懐に収まるお金も半分になります。
アーティスト達もCDが売れないと嘆くばかりではなく、YouTubeにPVをアップして広告収入を稼いでいたりするので、CDが売れない=バンドとして売れてないというわけでもなくなってきており、CDを売らなくてもいいような状況が出来上がってるように思えます。

実際ここ数年CD買ってない。

僕も音楽を聴くときはネットでダウンロードしていたりYouTubeで公式のPVを見たり、AppleMusicやプライムミュージックなど定額の聴き放題サービスを利用しているのでCDを一切買っていません。
CD欲しい!!ってなるほどワクワクするアーティストがいないのも1つあると思いますが・・・

CD買わないのはもちろん僕だけではないはずなので、当然JASRACはお金を稼げなくなってきてしまい手当たり次第使用料!使用料!・・・あ、音楽教育から取ったろ☆となっているのではないでしょうか?

JASRACよ、これ以上日本の音楽を腐らせるな

僕が思う事はこの一言に尽きます。
音楽教室のところでちらっと書いたように、クラシックしか弾けない=音楽を楽しめないような時代にして欲しくないのです。
CDが無くても様々な形で音楽を楽しめる現代ではJASRACも今までのようにはいかないのだからあり方を変えるべきではないでしょうか?

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